■シェルターについて<日本の現状>  担当:川西歩 松元綾香

○日本の現状
日本では年間50〜60(一説には100万とも)万匹の命が「止むを得ない理由」により、札処分されているのが、
ペットブームの裏で起きている現状です。日本の法律では首輪をしている、していないに関わらず、
徘徊している犬は保健所に収容されます。そしてそこでは長くても7日間しかいられません。
犬はケージに、猫は袋に入れられ、施設内にあるガス室にて処分となります。
使われるガスは二酸化炭素であり、室内の空気を徐々に抜きつつガスを入れていくという方法をとっています。
犬は10分、猫は15分間の噴射ですが、この方法は窒息死させるものであり、
動物たちに多大な苦痛を与えて殺すことになります。
つまり安楽死ではないのです。犬猫たちは苦しみながら、死んでいくのです。

○日本のシェルター
 海外と比較し、シェルターの数が少ないのは、動物に対する意識の違いや、このような施設を支える制度が
日本にないこと等が原因と考えられています。
某シェルターの場合、引き取りを求めてくる理由の中で一番多いのは、住宅事情。特に、引越しを機に捨てる人が多いようです。
次にアレルギー。猫は、この2つがほとんどで、その他は「産んでしまった」「思ったより大きくなった」
「過保護に育て、手に負えなくなった」「近所から苦情がきた」「犬が十年も生きるとは思わなかった」
「かわいかったから衝動買いした」「散歩が大変」「自分に赤ちゃんが生まれるので」
「図鑑でみた模様と自分の犬の模様が違う」など、客観的には信じられないような自分勝手な理由…。
これらをみても動物に対する意識の低さが現れているようです。
 しかし、このような状態を少しでも改善しようと一部のシェルターや動物愛護施設では、里親探し以外にも
一般の飼い主さんを対象とした、しつけ教室や子供たちを対象にした動物介在教育などを行ない命の大切さなど
を伝えています。
また、学校は、動物が運動できるグランドや、怪我をした時のリハビリに使えるプールなどがあり、
動物の保護場所に適しているということから、廃校を利用してシェルターを作ろうという案もあります。
ですが、今の日本を考えると、シェルター数の増加は、捨てる人の数の増加に、つながるという意見もあり、
そう簡単に進められないというのが現状です。

日本もイギリスのようにシェルターでペットを探すことが常識のようになっていけば、
毎日、保健所で命を失っていくペットたちは減っていくでしょう。



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