■アニマルセラピーと子供<グリーン・チムニーズニついて>  担当:永瀬真由子

アニマルセラピーと子供について調べてみました。

「動物介在教育」
日本でいうアニマルセラピーという言葉のなかには、A.A.E(動物介在教育)も含まれています。
A.A.Eとは、動物を介在させた教育のことで、子供の道徳的、精神的な成長や発達を促すことを目的としています。
動物を学校で飼い、共生する、ということはこれらの目的があるからであるといえます。
しかし、この動物介在教育に関するプログラムでは、いくつかの条件を満たす必要があるといえます。
飼育、共生する動物が人間にとって安全であることや、動物が健康であること、適切に飼育されていること、
などです。適切な動物の飼育が、動物にとってはもちろん、人間にとってもよい影響を及ぼすと考えられます。
モノからでは学ぶことの出来ない、命の尊さ、動物を飼うことの責任感、世話を続ける継続力、
他者を思いやる心など、動物から学べることはたくさんあります。

「グリーン・チムニーズ」
アニマルセラピーは子供の社会復帰にも貢献しています。
それを実践しているのが、アメリカにある児童養護施設、グリーン・チムニーズです。
グリーン・チムニーズは、アニマルセラピーを中心に様々なセラピー効果のあるプログラムを
子どもたちに提供しています。ここには、現在、約160人の虐待などをうけ、心に傷を負った子どもたちと
380頭の捨てられた動物たちが共に暮らしています。
グリーン・チムニーズに来る子供たちは、情緒不安定、学習障害、暴力的な態度などのために、
家庭や学校などにいられなくなってしまった子供達です。
その多くは、いじめや虐待などで、心に深い傷を負っているそうです。
グリーン・チムニーズは自然に囲まれた環境の中で、傷ついた野生動物の手当てや世話を子供にゆだねて
います。たとえば、虐待されて立てなくなったウマの保護や、捨てられた犬の世話などもするそうです。
人に傷つけられた動物達の世話も子供達がします。
自分の心や体に傷をもっている子供達は、動物が癒されていくのを見て、感じて、
自分の社会復帰への道をたどっていくそうです。
また、子供達は、瀕死の動物のケアや出産の手伝いなど、実際に手で動物に触れることや、
肌で感じることもでき、そこから命というもののいつくしみを知ることが出来るといいます。
また、動物の世話などを通して、他者、そして自分を大切にすることを学ぶことが出来るといいます。
自分には何の価値もないと思っている子どもを動物が無条件に受け入れてくれることで、
自分に存在価値があることに気づくことができるのだそうです。
このように、動物を飼うこと、世話をすることは子供たちの生命観や人生観を育むことにつながるといえます。




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