■動物を飼うことの重要性  担当:宮腰隆

●子供が動物を飼うことの重要性は高い。それは何故でしょう?

□ 子供が人の立場に立って考え行動できるようになるのは4歳以降で、
子供は養育者との親密な関係を通して自分とは違う考えを持ち行動する人間の存在に気づくのです。
人の立場を理解できるようになると子供の人間関係はより豊かなものとなります。
つまり相手の立場を思いやる「やさしさ」も育つし同時に「だます」と言った駆け引きができるようになり、“知恵”がつくのです。

□ 人の立場の理解の発達を促す要因に、同居する家族の数が関係していると思われます。
子供にとって、家族のやりとりや会話を見聞きすることは重要な経験なのです。
また今日、核家族化が進む中、子供は日常生活において「人の立場に立って物事を見る」機会が少なくなっています。
こうして養育者との関わりが極端に少なくなると、”知恵”の発達に遅れが出ることも指摘されています。

□ そして、それに代わって新たな家族の役割を担いつつあるのがやはりペットといえるでしょう。
ペットやその他の動物とのかかわりやその世話を通して、
自分とは異なった立場やものの存在を認識することができるようになります。
…例えば、犬や猫の場合生まれたときは赤ちゃんとしてみていたのに、
子供自身が1歳年とる間に犬や猫は大人になってしまいます。
あるいは、猫は昼寝ばかりして夜に活動するなど独特の1日のリズムをもっています。
幼児の社会性の発達にとってペットを飼う事は重要なのです。

□ ペットの飼育はこどものいない家庭より、こどものいる家庭に多く見られます。
これは、こども達が本能的にペットを求める結果かもしれないし、子供の発達によい影響があるという人々の
長い経験基づくものかもしれません。

□ 会話(言語コミュニケーション)と同時に重要なものが、非言語コミュニケーションと称されるもので
「人の気持ち」を察する能力と言ってもよいでしょう。
言葉では言い表せない部分(心)を読み取る能力をどのように育てるのでしょう?それは容易ではありません。
いわゆる「言葉をもたないペット」と暮らす子供たちは、頻繁に動物に話しかけ、動物たちの気持ちを適切に理解しようと努めます。
もちろん多くの場合、こども達の勝手な解釈で動物たちには大いに迷惑かもしれません。
しかし、たまたまだとしても動物たちの思いと一致したときの喜びはとても大きいものでしょう。
こうした感動を経験したこどもとそうでない子供の差は歴然としています。

□ よって子供たちの非言語コミュニケーションの発達、
すなわち人の立場立って考え行動できるようになるには動物は欠かせない存在と言えるでしょう。



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