■ズーノーシス  担当:笹川

□INTRODUCTION
 ・ZOONOSISに興味を持ったきっかけ
   小学校高学年の頃に南アフリカで発生、流行したエボラ出血熱や
  同時期に公開された映画「アウトブレイク」で初めてZOONOSISの恐ろしさ、
  人間社会にもたらす影響の大きさについて知りました。
  と、同時にヒトと動物に共通の感染症を解明することができたら、
  ヒトと動物の関係、共存に貢献できるのではないかと思い、
  それ以来、自分なりに本を読んだりして勉強しています。

 ・今回の発表までの私の考え
   今まで以上に番組や本、インターネットなどで
   ZOONOSISについての情報が手に入るようになった
          ↓
   飼い主を無駄に恐がらせるだけで、解決策にはなっていない
          ↓
   ペットと自分の療法を守るためにも正しい理解を!!
   そのことでより良い動物とヒトとの関係を築けたら・・・・

□ZOONOSISとは?
  ・ZOONOSISの定義
    WHO(世界保健機関)の定義
      :『人間と脊椎動物の間を自然に行き来することの出来る感染症』
       但し、毒をもった動物(爬虫類、魚類、軟体動物、節足動物など)による
       咬傷、刺傷は除外。

  ・感染症と伝染病
    感染症:病原微生物が体内に侵入、増殖して起きる病気。
    伝染病:病原微生物の感染により発病。
          人から人へと伝染して集団的に流行する疾患の総称。

  ・感染経路
    直接感染:体に触れることで感染。
    経皮感染:皮膚から感染。動物に咬まれたり引っ掻かれることによる。
    飛沫感染:くしゃみなどから感染。
    吸入感染:ホコリなどに混ざって吸い込むことで感染。
    経口感染:飲食により感染。

  ・ヒトに感染する病原体
    ヒトに感染する病原体は世界で1709種。
   そのうち837種がZOONOSISといわれています。
   837種のZOONOSISのうちWHOが危険だとしているのは122〜166種。
   その数は年々増える傾向にある。

□ZOONOSISの今
   1980年以降、感染症は増加傾向にある。(ex.エボラ出血熱・HIV・BSEetc...)
  その原因は?考えられる原因を以下に示す。

 @人間が未開地にどんどん侵入し、もとは野生動物の病気であった病原体が
   ヒトに感染するようになったため。
   未開地の開発を機に新しく発見されたZOONOSIS→マールブルク病
                                    ニパウイルス病
                                    ヘンドラウイルス病etc...
 A地球の温暖化により、本来は熱帯、亜熱帯の病気
   (主に蚊によって媒介されるex:デング熱、マラリア、西ナイルウイルス、黄熱)
   が地球全体に広がり始めている。
   (特に九州・沖縄では蚊が生育しやすい環境にある。)

  B再興感染症
   過去に猛威をふるったあと、いったんは人類の前に敗れ去ったかのように
   思われていたものが、再び息を吹き返した感染症
    ⇒結核・サルモネラ症etc...
   熱剤耐性菌として復活しているものが多い。

  C新興感染症
    今まで未知であった病原菌が判明した感染症。
     ⇒BSE・エイズ・クリプトスポリジウム症・エボラ出血熱など30種以上

  D海外からの輸入動物の増加
    日本では、諸外国のように動物の輸入に対して厳しい法律が無く、
    検疫対象動物はサル・イヌ・ネコ・キツネ・スカンク・アライグマのみで、
    ほとんどの動物がフリーパスとなっている。
    (上記のイヌ以外の動物に関しては1999年に施行された
     『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律』(感染症法)
     で、狂犬病の検疫対象として拡大されたものであり、サルについても
     エボラ出血熱・マールブルク病などのZOONOSISの対策として新たに加えられた。)

□個人的意見・その他
  ・ペットとの正しい触れ合い方
   ペットを飼っているひとは多かれ少なかれ、ペットと触れ合っていることでしょう。
   スキンシップはペットとのコミュニケーションにおいて必要不可欠であるが、
   過剰なスキンシップはZOONOSISの感染機会を増やしてしまいます。

   過剰なスキンシップで最も身近にあるZOONOSISがパスツレラ病です。
   パスツレラ病の病原体はパスツレラ属菌と呼ばれる細菌で、
   健康なイヌやネコの口の中(イヌ:75%、ネコ:ほぼ100%)
   またはネコの爪に存在します。
   ヒトがパスツレラ症になると、副鼻腔に膿がたまったり、
   受傷の場合は局部の激痛や発赤・微熱などの症状が現れます。

   症例として報告されているものも、ペットと一緒に寝ていて、
   毎朝顔をなめられていたなどといった、過剰なスキンシップが原因のものが多い。

   多くのZOONOSISは、ちょっとした注意で未然に防ぐことが出来ます。
   今回は具体的なZOONOSISについて詳しく触れることはしませんが、
   このちょっとしたことを知ることの大きさを知ってもらいたいのです。

  ・再興感染症〜狂犬病〜
   日本では狂犬病予防法として、予防注射を義務化したこと、島国であることから、
   過去の感染症のように思われがちですが、近隣の北朝鮮やロシアでは
   今なお犠牲者が後を絶たない状況です。
   発症した場合はほぼ100%死亡という恐ろしいZOONOSISであるにも関わらず、
   日本に危機感はないように思われます。
   私の身近なヒトに話したところ、
   イヌだけの病気だと思っていたヒトも大勢いました。
   いつ、海外から入ってきてもおかしくないので、とても恐いZOONOSISです。

  ・輸入動物について
   「ZOONOSISの今」のDで述べた通り、
   日本ほど動物がフリーパスな国は珍しく感じます。
   他国では自国の生態系を守るためにも厳しい規制がひかれています。
   日本で検疫の対象になるのは主に狂犬病に関する動物だけですが、
   未知のZOONOSISの存在を考えるとゾッとします。
   今までフリーパスで日本に輸入された動物が大きな感染症を
   持ち込まなかったことがとても不思議に感じます。
   ZOONOSISや生態系を考慮した法律が整えばと思います。

□最後に
   今回の発表にあたり、今までの断片的な知識を少しでもまとめたことで、
   やっぱりやりがいがあって面白いな、これから益々問題になるようなことばかりだな
   と再認識させられました。
   ひとりで勉強すると限られてくるので、みんなのとこの問題に取り組んでいけたらな、
   と思いました。
   最後まで読んでくださってありがとうございました。


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