■日本のアニマルセラピー  担当:小野

□JAHAとは
社会法人 日本動物病院福祉協会
(Japanese Animal Hospital Assosiation)の略

1978年設立
動物病院を中心に人と動物の絆(HAB)と大切にし、
人と動物双方の福祉とQuality Of Life(QOL)の向上を目指す

1986年 Companion Animal Partnership Program(CAPP)開始

□HAB?
「人と動物の結びつき、絆」(1970年代)
Human Animal Bondの略

人と動物が、生まれつき「生き物同士」として持っているもの、
さらに人と人、人と動物、人と自然、動物と自然の「ふれあい」の中に
生まれてくる「生き物同士」としての相互作用

レオ・ビューステッド
HABの名付け親。HAB教育の創始者。
米国の獣医師、ワシントン州立獣医科大学学長
米国のデルタ協会や国際HAB協会(IAHAIO)の創立者
 ※デルタ協会:人と動物との相互社用に関する教育・研究やサービス活動を目的とする
   IAHAIO:参加各国の持ち回りで、3年に1度「人と動物の関係に関する国際会議」を開催

「人と動物の絆」をめぐる科学の研究
 ・人と動物と自然の相互作用の中に育つ絆は、
  人と動物双方の心身により良い影響を与え合っている
 ・地球上で、動植物がこの自然環境の中で生きていけなくなれば、
  人間も生きていけない

この研究を実際の社会に役立てていくために・・・
ジャンルが違うという垣根を取り払って協力し合う
・脳神経科学
・行動学
・心理学
・獣医学
・医学
・福祉学
・人間学
・社会学
・児童福祉学   etc...

□IAHAIO ジュネーブ宣言(1995)
  1、コンパニオン・アニマルが、その動物にとってふさわしい環境で飼われ、
    かつ他の住民の権利を侵さない限り、人はあらゆる環境において
    コンパニオン・アニマルを飼う事が出来ることを世界共通の権利として認める。

  2、人間の生活環境が、コンパニオン・アニマルとその飼い主の特性と
    ニーズにあったものになるよう、デザイン、設計されていくよう保障措置を取る。

  3、学校の授業カリキュラムにコンパニオン・アニマルに関係する
    教育が取り入れられることを勧め、正しい教育プログラムを通じて、動物たちの存在が
    児童教育に役立つことを教師や教育者が確信できるように働きかける。

  4、病院、老人ホーム、養護施設などの、動物とのふれあいが必要な人々を世話する
    福祉施設に、訪問活動として認められたコンパニオン・アニマルが出入りできるようにする。

  5、心身障害を克服しようとする人々のために訓練された「介助動物」や
    動物介在療法の有効性について、公的な認知に努める。

□JAHAにおけるHAB
*理念
 ・人と動物のふれあいから生まれる効果を認識
 ・人と動物双方の幸せを作り上げる
 ・人と動物の福祉を図る

        ⇒CAPP活動

*HAB事業:活動目的
 ・人と動物との相互作用の研究成果を、AAA・AATに活かし、
  人の教育、QOLの向上、医療、福祉に役立てる
 ・コンパニオンアニマルとボランティアを育成し、福祉及び医療施設に対する訪問活動
  を促進し、また各種施設でコンパニオン・アニマルと生活できるようにする。

コンパニオン・アニマルとは
  人とともに生活する身近な動物たちを、人間のよき仲間、
  家族、伴侶として位置づけた新しい呼び方

□CAPP活動?
1986年5月〜2003年12月までの活動実績
  訪問回数:5,537回
  参加獣医師数:12,161人
  参加ボランティア:45,086人
  参加動物:犬=31,806頭
         猫=9,942頭
         その他=4,690頭

○活動内容
 ・動物病院スタッフやボランティアが、フレンドリーで正しくしつけられた健康な動物たちを伴って
  各種福祉施設や学校、病院などを訪問し、ふれあいの場を設けている。
      ⇒高齢者、児童、心身に障害のある方々に対し精神面と
        リハビリテーションの手助けをするAAAとAATの実践
 ・社会や教育の現場では動物のぬくもりを伝え、動物との接し方や思いやりの心を育む手助けをする。

○主な活動先
 ・特別養護老人ホーム
 ・老人保健施設
 ・デイセンター
 ・障害者施設
 ・精神薄弱者更正施設
 ・養護学校

○特別養護老人ホームでの訪問活動による効果
 ・動物に声をかける⇒発声のリハビリ
 ・動物に触れたいと努力する⇒全身のリハビリ
 ・明るい表現力が回復
 ・会話を持たなかった老人同士が会話を交わす
 ・なかなか離床しなかった老人が離床するようになった
 ・介護者との対話が明るくスムーズになった
 ・外部社会への関心が高まり、心身の活力が高まる

○特別養護老人ホームでの動物飼育(同居)にみられた効果
  (訪問活動の効果に加えて)
 ・施設内が明るくなった
 ・動物の世話をするために活動的になり、
  生活にリズムが生まれ健康の維持に役立った
 ・同居動物の出産や保育が施設内にいっそうの活気をもたらす
 ・リハビリへの参加が前向きになった
 ・離床生活が可能な老人の率が上昇
 ・社会性の回復
 ・笑い声が絶えない

○CAPP活動に参加する犬の認定基準
 ・正しい健康管理が出来ている
 ・日ごろ、近隣と仲良く暮らしている
 ・見知らぬ人に出会ったときでも落ち着いていられる
 ・他の動物に対しても落ち着いて接することが出来る
 ・人ごみの中でも落ち着いて歩くことが出来る
 ・キャリーバックや移動ケージに入れた場合でも鳴いたり騒いだりしない
 ・「おすわり」「ふせ」「まて」ができる
 ・CAPP活動参加中に情緒不安定にならない
 ・みだりに排泄しない
 ・飼い主とともに楽しくCAPP活動が出来る


日本動物病院福祉協会のHP
http://www.jaha.or.jp/new/jahatop2.html


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